家族やグループで、家を1軒借りて泊まる。民泊は、ふつうの家やマンションの部屋を宿として使う泊まり方です。Airbnbなどの予約サイトで探して借ります。1部屋だけのものから、家まるごとのものまであります。
民泊の決まりごとの多くは、「ここは住宅街の中の、ふつうの家」というところから出てきます。ホテルならフロントで聞くことが家の中の紙に書いてあり、ゴミは家の中の箱に入れ、夜は近所の静けさに合わせる。そう分かると、泊まり方が見えてきます。
民泊には、届け出をして営むもののほか、旅館やホテルと同じ許可を得て営むものなどがあります。この記事で見る決まりの多くは、届け出をした民泊のものです。
この記事で見るのは、6つです。
- 予約の前に ― 番号と、人数と、その家の決まり
- 着いたら ― 玄関の標識、顔とパスポート、鍵
- 家の中 ― 使い方も、災害のときの連絡先も、紙に書いてある
- ゴミ ― 東京などの案内では、外に出さず家の中の箱へ
- 夜 ― 住宅街の、静かな夜
- お楽しみ ― 台所を使える家なら、近くの店で買って家で
1 予約の前に ― 番号と、人数と、その家の決まり
予約の前に、予約ページで次の3つが分かるかを見ておきます。観光庁が、民泊を選ぶときに確かめるよう呼びかけている3つです。
- 利用の条件が、前もって示されているか
- 届出番号や、許可を得ている物件かどうかが分かるか
- 物件の住所が分かるか
番号と住所が出ているかを、予約の前に自分の目で見ておきます。家族やグループなら、全員が泊まれる家かも先に見ておきます。
その家の決まり
民泊は、旅館やホテルと違って、泊まる人に合理的な範囲で条件を付けてよいことになっています。上の1つ目の「利用の条件」が、それです。その家の決まり(ハウスルール)は、予約の前に読んでおきます。
あわせて、鍵の受け取り方と、ホストへの連絡の方法も、予約のときに確かめておきます。
番号、住所、人数、その家の決まり、鍵、連絡の方法。ここまで予約の画面で見ておけば、着く日の段取りが見えてきます。
2 着いたら ― 玄関の標識、顔とパスポート、鍵
到着したら、まず予約のときに案内された方法でチェックインします。そのとき目に入るのが、玄関の標識と、パスポートの確認です。
届け出をした民泊は、届出番号の入った標識を、玄関など外から見やすい所に掲げることになっています。マンションなら、部屋の扉に加えて、建物の入口や集合ポストにも小さな標識を出します。
英語が併記された標識もあります。たとえば品川区の様式には、「Private Lodging Business」「CERTIFIED」「Number」の文字があります。こうした標識なら、英語の文字で、届け出をした民泊だとその場で確かめられます。福岡県の標識には、届け出た家の一覧のページへつながるQRコードも付いています。
旅館業の許可や特区の認定で営む民泊は、この標識の決まりの外です。こちらは、自治体のホームページや問い合わせで確かめられます。
顔とパスポート
チェックインでは、顔とパスポートを見せます。家族全員のぶんです。対面か、家に置いたテレビ電話やタブレットなどで、顔とパスポートを画像で確かめます。
名簿には、泊まる人全員の名前が入ります。日本に住所のない外国人は、国籍とパスポートの番号を書き、パスポートを見せます。届け出をした民泊では、パスポートの写しを取ってもらう決まりです(日本に住所のない外国人の場合)。ホテルでも同じで、たとえば東横インは、日本に住所のない外国人のパスポートのコピーを取ります。
すぐ出せるように、家族全員のパスポートを1か所にまとめておきます。対面なら、そのときに家の使い方も聞いておけます。
鍵
鍵の受け取り方は、家によって違います。予約のときに案内を確かめておけば、当日迷わず入れます。
3 家の中 ― 使い方も、災害のときの連絡先も、紙に書いてある
ホテルならフロントで聞くことが、民泊では家の中に書いてあります。
外国人の宿泊者には外国語で家の案内をするよう、法律が宿の側に求めています。中身は、たとえばこんなものです。
- 家の設備の使い方
- 最寄りの駅などへの道と、使える交通機関
- 火事や地震のときの連絡先(消防署、警察署、医療機関、管理の業者)
- 音やゴミ、火の元で気をつけること(ガスコンロの元栓の開け閉め、消火器の使い方、逃げ道など)
案内は、部屋に置いた紙かタブレットで、泊まっているあいだ見られることになっています。災害のときの連絡先は、すぐ確かめられる形で。言葉は、予約のときに宿が示した言語です。
東京都が宿のために作った文例集には、「使い方が分からないときや故障のときは、こちらへ連絡を」という文と、「緊急の連絡先に電話するときは、住所も伝えて」という文があります。着いたら、案内を一度読み、家の住所を控えておきます。福岡県の標識では、家主が住んでいない民泊なら、緊急の連絡先も書かれます。
同じ文例集には、「靴を脱いで上がってください」も入っています。日本の家の上がり方は、「靴を脱ぐ・スリッパ・浴衣」の記事で。
4 ゴミ ― 東京などの案内では、外に出さず家の中の箱へ
民泊で出たゴミは、家庭のゴミとは扱いが違い、宿の側が責任を持って処理します。だから泊まる人は、宿が決めた方法で捨てます。東京都や区の案内では、ゴミは家の中のゴミ箱へ。外のゴミ捨て場には出しません。種類ごとに箱が分かれ、泊まる人の国の言葉やイラストで分け方が示されていることもあります。
東京都の文例集にある、分け方の例です。
- 燃えるごみ ― 紙、生ごみなど
- 燃えないごみ ― 陶磁器、ガラス、金属製品など
- プラスチック ― フィルム、袋、トレイ、カップなど
- 資源 ― ペットボトル、缶、びん
分け方は町によって違うので、家の中の案内と、箱の表示に合わせます。
東京などの案内のとおりなら、ゴミの日の曜日も、近所の集積所の場所も、覚えなくていい。家の中の箱に、表示どおり分けて入れるだけです。分けながら、日本の家ではこう分けるのか、と見えてきます。
5 夜 ― 住宅街の、静かな夜
民泊のまわりは、ふだん人が暮らしている家です。まわりの暮らしのために気をつけることも、宿が外国語で説明することになっています。たとえば、こんなことです。
- 家の中では、いつもの声で。大きな声は控えて、夜遅くは窓を閉めて
- ドアとスーツケースは、静かに
- 洗濯機を回すのは、夜を避けて
- ベランダなど外での宴会や、廊下・ロビーでのたまり場は、なしで
- 家の中では、楽器は鳴らさない
夜に着く日は、スーツケースの音をとくに小さく。
ホテルの壁の中ではなく、日本の住宅街の中で過ごす夜です。窓を閉めた家で、家族で一日をふり返る。その静けさも、民泊の夜の一部です。
6 お楽しみ ― 台所を使える家なら、近くの店で買って家で
台所を使える家なら、近くのスーパーで買ってきたものを、家のテーブルで食べる夜がつくれます。見つけたお惣菜や果物を持ち帰って、みんなでテーブルを囲む。家族やグループで、暮らすように泊まる。民泊ならではの楽しみです。
届け出をした民泊の家には、台所、浴室、トイレ、洗面設備の4つがそろっていることが条件です。浴室は、浴槽がなくてもシャワーがあればよいので、シャワーだけの家もありえます。
泊まる人が台所を使えるか、鍋や食器があるかは、家によって違います。家主が住んでいる家の1部屋を借りる民泊もあります。洗濯機は、この4つには入っていません。台所や洗濯機を使いたいなら、予約ページで見ておきます。
まずは、これだけ
- 予約ページで、届出番号(または許可の番号)と住所を見る。何人まで泊まれるか、その家の決まりも
- 鍵の受け取り方と、ホストへの連絡の方法を、予約のときに確かめる
- 着いたら、玄関の標識を見る。家族全員のパスポートを1か所に
- 家の中の案内を一度読み、家の住所を控える。ゴミは案内どおりに(東京などの案内では、家の中の箱へ)
- 夜は窓を閉めて、声と音を小さく
あとは近くの店で買い物をして、日本の家で一晩を。