夜の羽田空港。到着ロビーに出たところで、あなたは小さな包みを受け取ります。中には、手のひらほどのWi-Fiの機械と、充電の道具と、返すための封筒。
電源を入れて、家族のスマホを1台ずつつないでいく。子どものタブレットも。少しすると、みんなのスマホから「着いたよ」が飛んでいきます。
家族でポケットWi-Fiを借りると、だれか1人が、この機械を預かる係になります。この記事は、その係の人のための話です。
係の仕事は、じつは多くありません。ポケットWi-Fiのひと手間は、受け取るときと返すときに集まっているからです。受け取り方と返し方を、出発前に決めておく。 それさえ済めば、旅のあいだは、ほとんど何も考えなくていいのです。
受け取りの締め切りや返す期限、料金は、会社ごとに違い、変わることもあります。申し込むときに、借りる会社の案内で確かめてください(2026年10月時点)。
先に決めるのは、2つだけ
- どこで受け取るか 空港の窓口/空港や駅などに置かれた無人の箱/宿に届けてもらう
- どう返すか 日本のポストに入れる/無人の箱に戻す
どれが選べるかは、会社によって違います。例えば Japan Wireless は、空港の窓口や宿で受け取って、ポストで返す形。WiFiBOX は、空港や駅などに置かれた箱で受け取って、箱に返す形です。
つまり、会社を選ぶことは、受け取り方と返し方を選ぶことでもあります。
受け取り方は3つ
空港の窓口で
人から手渡しで受け取ります。パスポートを見せて受け取る会社もあります。
窓口の場所は会社ごとで、同じ空港の中でも、会社によって別のカウンターのことがあります。迷わないように、予約の控えに書いてある窓口へ向かいましょう。
窓口には営業時間があります。予約で伝える受け取りの時刻は目安で、便が遅れても、窓口が開いているうちに着けば受け取れる会社もあります。閉まったあとになりそうなら、宿への配送か24時間の箱を(下の「夜遅く着く便なら」)。
無人の箱で
予約しておいて、置いてある箱でQRコードを読み取って受け取る形です。WiFiBOX の箱は、空港や駅など日本の750か所以上にあります。人がいないので、空港には24時間使える場所もあります。
予約は要りますが、在庫しだいで当日でもできることがあります。
羽田空港の第3ターミナルの到着ロビーにも、24時間の無人のWi-Fiレンタルがあります。
宿に届けてもらう
チェックインのとき、宿のフロントで受け取ります。使い始める日の前までに届く形です。
注文するときの名前は、受け取る人の名前と同じにしておきます。宿の予約の名前とそろえておけば、フロントで話が早く済みます。
なお、Japan Wireless は Airbnb には届けられないとしていて、かわりに郵便局で受け取る方法をすすめています。
夜遅く着く便なら
窓口が閉まる2時間前を切って着くなら、宿に届けてもらう方法を、と Japan Wireless はすすめています。夜の便なら、宿に届けてもらうか、24時間の箱を予約しておく。これで、着いた空港で窓口を探して走らずに済みます。
それでも窓口に間に合わなかったら、すぐ会社に連絡を(連絡先は予約の控えに)。手数料はかかりますが、宿へ送り直してくれる会社もあります。
予約は、早めが楽
Japan Wireless は受け取りの3日前までの注文を目安にしていますが、直前の注文も受け付けています。宿に届けてもらうなら、届くまでに日数がかかるので、なおさら早めに。
着いたら、つなぐのは数分
電源を入れたら、機械のWi-Fiの名前とパスワードを確かめます。あとは、スマホのWi-Fiをオンにして、その名前を選び、パスワードを入れるだけ。Japan Wireless は「2分でつながる」とうたっています。SIMを差し替えないので、スマホのSIMロックとも関係ありません。
ひとつだけ、自分のスマホの側で。Wi-Fiが弱いと、スマホが自国の回線に切り替わってしまうことがあるので、自国の回線のデータローミングはオフにしておきます。自国の番号で電話やSMSを使わないなら、機内モードにしてから、Wi-Fiだけオンでもかまいません。
ポケットWi-Fiはデータ通信だけで、電話番号はつきません。通話は、通話のアプリで。ポケットWi-Fiからは、110番や119番にはかけられません。困ったときの電話のことは「日本の電話番号が要る場面」の記事で。
旅のあいだ ― 1台で、家族みんな
何台つなげるかは、機種によって違います。例えば Japan Wireless は8台まで。WiFiBOX は標準の機種で5台、5Gの機種は10台です。家族のスマホにタブレットも足すなら、借りる前に台数を見ておきましょう。
電池も機種しだいです。例えば Japan Wireless は、続けて使って8〜10時間ほどで、付いてくるモバイルバッテリーでさらに延ばせます。朝から夜まで出歩く日は、バッテリーも一緒にかばんへ。宿に戻ったら、機械を充電して、次の日に備えます。
1台を分けあう形なので、家族が別々に動く日は、だれが機械を持つかを決めておきましょう。機械から離れた人は、つながらなくなると考えておくのが現実的です。
山の中や地下、建物の奥などでは、つながりにくかったり遅くなったりすることがあります。つながらないときの確かめ方は、「つながらないとき」の記事で。
最後の日 ― 保安検査の前に、ポストへ
ポストで返す会社なら
受け取ったときの返送用の封筒に、機械も充電の道具も全部入れて、平らにして、ポストへ。Japan Wireless の封筒は、宛先が書いてあって、送料も払ってあります。Japan Wireless なら、日本のどこのポストからでもよく、受け取った場所と同じでなくてかまいません。帰りは別の空港から、でも返せます。
空港から出すなら、保安検査(手荷物検査)を通る前に、ポストへ入れておきましょう。家族が検査の列に並ぶ前に、係の人が封筒を「カタン」。これで仕事はおしまいです。
返せない所もあります。Japan Wireless は、受け取った空港の窓口にも、ホテルのフロントにも返せません。
箱で返す会社なら
WiFiBOX なら、空きのある箱に機械を差し込みます。「カチッ」と音がしたら返却の手続きは済み、確認のメールが届きます。メールが来なければ、会社に連絡を。どの箱に返せるかには例外もあるので、予約の案内で確かめておきます。
期限は、予約の控えで
何日の何時までに返すのか。ポストなら、出した日で数えるのか、届いた日で数えるのか。数え方は、会社の決まりしだいです。使い終わった翌日まで返せる会社もありますが、期限は、予約の控えで先に確かめておきましょう。
困ったとき
- 返すのが遅れそう 先に延長を申し込む。延長しないまま遅れると、遅れた日数の料金がかかります。期限の翌日から通信が止まる会社もあります
- 持ち帰ってしまった すぐ会社に連絡を
- なくした・盗まれた すぐ会社に連絡を。日本の警察などで証明書をもらうよう求める会社もあります
- 補償を付けるか 予約のときに決めておきます。受け取ったあとは付けられない会社もあります
- つながらない・動きがおかしい 電源ボタンの長押しで入れ直す(WiFiBOX は15秒)。直らなければ会社に連絡を。代わりの機械を送ってくれる会社もあります
韓国・台湾から来る人へ ― 自国の空港で借りる形も
韓国や台湾から来る人には、自国の空港で借りて、帰りに返す形もあります。この場合、この記事の「日本のポストで返す」は当てはまりません。
例えば韓国の 와이파이도시락 は、受け取った所と別のセンターでも返せます。受け取り方と返し方は、借りた会社の案内で。
台数や電池を見ておくこと、自国の回線のデータローミングをオフにすることは、この記事と同じです。
まずは、これだけ
- 受け取り方を決める(窓口・箱・宿)。夜遅い便なら、宿か24時間の箱
- 返し方と期限を、予約の控えで確かめる
- 補償を付けるかは、予約のときに
- 着いたら、自国の回線のデータローミングはオフ
- 帰りの空港では、保安検査の前にポストへ
帰りの空港で封筒をポストに落としたら、係の仕事はおしまい。あとは身軽に、家族と旅の話をしながら搭乗口へ。