飛行機を降りて、機内モードを切る。ところが、画面の上に出るのは「圏外」。電波のマークは立っているのに、地図が開かない、ということもあります。
ここは、深呼吸をひとつ。それから、まずこの順に、手を動かしましょう。
この記事は、その順番の話。後半では、地下鉄や山、電池が切れそうなとき、そしてもしものときのことを、少しだけ。
画面の名前や決まりは変わることがあります(2026年10月時点の、各社・各機関の案内をもとにしています)。
まず、この順で
iPhoneなら、この順です。
1 日付と時刻を見る。 着いたあと、時刻がずれていたら、「設定」→「一般」→「日付と時刻」で、「自動設定」をオンにします。
2 機内モードを30秒ほどオンにして、またオフに。 あとは、iPhoneがいちばんよい電波を自分で選ぶのを待ちます。
3 まだ「圏外」や「SOSのみ」なら、「設定」→「モバイル通信」へ。 旅行用の回線がオンになっているか、データ通信にその回線が選ばれているかを見ます。eSIMは、入れただけではなく、オンにしてはじめて使えます(入れ方と切り替え方は「eSIM」の記事で)。そして、その回線のデータローミングを確かめます。
4 それでもだめなら、 別のSIMを試すか、買った会社に問い合わせます。
3のデータローミングは、Appleの案内ではオンですが、旅行用のeSIMは会社がオンかオフかを指定していればそれに合わせ、旅行用のSIM・eSIMを使うなら、自国の回線は、思わぬローミング料金を避けるため、オフのままにしておきます。
設定の正解は、買った会社の案内にある
旅行用のeSIMやSIMの設定で迷ったら、見るのは買った会社の案内です。たとえばAiraloは、つながらないときに見るところを、アプリの案内と合わせて、こう並べています。
- その回線(eSIM)をオンにする
- データ通信に使う回線を、そのeSIMにする
- APN(つなぎ先の設定)は、必要なときだけ、アプリに出ているとおりに入れる。自動で入っていれば、触らない
- データローミングは、アプリの案内どおりに、オンかオフに
最後の行が大事なところです。データローミングを「オン」にするか「オフ」にするかも、会社の案内しだい。だから、どこかで読んだ一般的な正解より、自分が買った会社の画面のほうが確かです。
ほかの会社でも、メニューの名前や場所が機種や版で違うAndroidのスマホでも、頼りになるのは買った会社の案内です。
それでもつながらなければ、会社のサポートへ。Airaloなら、アプリやサイトのチャットで問い合わせられます。連絡にネットが要るなら、空港の無料Wi-Fiが助けになります(「無料Wi-Fi」の記事で)。
数日たってから急に遅くなった、というときは、データの残りも見てみてください。プランのデータを使い切ると、止まったり、ぐっと遅くなったりすることがあります。
地下鉄 ― 電車の中でも、つながる
東京の地下鉄は、2013年から、駅だけでなく走っている電車の中でも、携帯電話がつながるようになっています。乗り換えを調べながら移動しても、途中で切れることはあまりありません。
ただ、ドコモでも、駅の中に一部つながらない場所があります。改札の奥や通路で一瞬切れても、少し歩けば戻ることが多いはずです。
なお、東京メトロの無料Wi-Fiは、設備の更新のため、いまは止まっています(2026年10月時点)。地下でも、頼りになるのは自分の回線です。
山と地方 ― 地図で電波があっても、季節で変わる
山や地方では、自分が使っている回線が、どの会社の電波に乗っているかで、届く範囲が変わります。電波の地図のことは、総合の記事で。
長野の高い山へ行くなら、もうひとつだけ。北アルプスの燕岳・常念岳・槍ヶ岳・穂高岳や、乗鞍岳・御嶽山などでは、登山の季節だけ置かれる基地局で電波を届けている所があります。そのため、ドコモでは、11月下旬ごろから4月下旬ごろは、地図で使える場所でも、つながりにくいことがあります。
山の上では、つながったら、そのうちに用事を済ませる。それくらいの気持ちでいると、旅が楽になります。
もしものときに ― 衛星と、00000JAPAN
ほとんどの旅では使わずに終わる話ですが、知っておくと気持ちが軽くなります。
iPhone 14以降なら、圏外でも、衛星で緊急の番号にテキストを送れることがあります。 日本では110(警察)・118(海の事故)・119(消防と救急)が対象で、iOS 17.6以降が必要です。携帯の電波もWi-Fiもない所で、緊急の番号にかけたり送ったりしてつながらないと、iPhoneが衛星につなごうとします。使えるのは屋外で、空と地平線がよく見える場所です。
日本に来た旅行者も使えます(一部の国・地域で買ったiPhoneは使えません)。Appleの中継センターが受けるテキストの言語は、英語・日本語・フランス語・スペイン語など9つで、その一覧に韓国語と中国語は入っていません。
大きな災害や、携帯電話の大規模な通信障害のときには、「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」という無料Wi-Fiが開くことがあります。 パスワードなしで、だれでもつなげます。そのかわり暗号化されていないので、安否の確認や情報を調べるなど、必要なことだけに使いましょう。
つながっても、電池が切れたら同じこと。着いた時点で電池が少ない、ということもあります。
地図は、出発前に落として、試しておく
電波がない所でも地図を見たいなら、出発前に、家や宿のWi-Fiで地図をダウンロードしておく手があります。ダウンロードにはネットが要るからです。
ただ、オフラインで何ができるかは、地図のアプリで違います。Googleマップ(Android)は、オフラインのときは車の道順だけで、電車・徒歩・自転車の道順は出ません。Appleのマップは、オフラインでも電車や徒歩の道順が出ます。
そしてどちらも、オフラインの地図が使えるのは一部の国や地域だけです。日本の行き先が落とせるかは、出発前に一度、試してみるのがいちばん確かです。
覚えておくのは、これだけ
- つながらなければ、日付と時刻 → 機内モード30秒 → 旅行用の回線とデータローミング。設定の正解は、買った会社の案内に(旅行用のSIM・eSIMを使うなら、自国の回線はオフ)
- 山では、つながるうちに用事を
- 地図は、出発前にダウンロードできるか試しておく
画面の上に電波のマークが戻ったら、地図を開いて、家族に「着いたよ」。つながらない時間も、順番を知っていれば、少し長めの深呼吸くらいのものです。