出発前に読む
このサイトでは、旅の準備に役立つよう、公的機関やレンタカー会社などの案内をもとにした情報を提供しています(2026年9月時点。法律の解説ではありません)。冬タイヤが最初から付く地域や期間、4WDやチェーンの扱いは、会社や店によって違い、毎年変わることがあります。予約の前にかならず、記事の終わりにある公式の案内と、予約する会社で最新の内容を確かめてください。
冬の日本でレンタカーを予約すると、画面に「スタッドレスタイヤ」「4WD」の欄が出てきます。
どれを付ければいいのか。チェーンも要るのか。雪道を走ったことがなければ、ここで手が止まります。
答えは、車ではなく行き先で決まります。
雪の降る地域に入るか。山道や峠を通るか。それが決まれば、選ぶものも決まります。
行き先ごとの答えは、3つです。
雪国で借りて走る → 冬タイヤが最初から付いていることが多い(会社・時期による)
雪国の外で借りて、雪の地域へ入る → 予約で冬タイヤを付ける
急な上り坂や山道が多い → 4WDを足す
チェーンが本当に必要になるのは、大雪で「チェーン規制」が出たときです。最後にまとめます。
1 冬タイヤ 雪の道に入るなら、これが先
雪や凍った道へ行くなら、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)の車を予約します。
大事なのは、借りる場所ではなく、走る場所です。
ニッポンレンタカーは、雪のない所で借りても、雪の地域を走るなら冬タイヤが要る、と案内しています。借りる所で降っていなくても、行き先では降ることがあります。
では、「雪の地域」はどこか。ニッポンレンタカーは、雪の多い人気の行き先として、次の場所を挙げています。
東北、北陸、蔵王、湯沢、鬼怒川、日光、草津、軽井沢、万座、アルペンルート、白川郷、河口湖、白馬、志賀高原、野沢温泉、鳥取、阿蘇など。
東京から近い軽井沢や河口湖、九州の阿蘇も入っています。自分の行き先が、この中にないか見てみてください。
時期は、思っているより長めです。日本には、9月の終わりから5月まで雪の降る地域があります。
なぜ冬タイヤなのか
冬タイヤの車なら、上の一覧にある雪の温泉地や、雪景色の中の道へも、自分で選んで入っていけます。
普通のタイヤは、雪の上では止まりにくく、坂も上りにくくなります。JAFの試験では、雪の道で、普通のタイヤは冬タイヤの約1.7倍、止まるまでの距離が長くなりました。別の試験では、勾配12%の雪の坂を上れませんでした。
決まりもあります。雪や凍った道を、冬タイヤやチェーンなどのすべり止めをしないまま走るのは法令違反になる、と国土交通省の九州地方整備局が案内しています(中身は都道府県ごとの規則で決まっています)。
冬タイヤがないと、走れない場面も出てきます。
NEXCO中日本の高速道路で「冬用タイヤ規制」が出ているときは、冬用タイヤもチェーンも付けていない車は走れず、近くのインターチェンジで降りることになります。ニッポンレンタカーは、冬タイヤなしで雪の地域へ出かける場合、貸すのを断ることがある、としています。
冬タイヤを付けておけば、ふだんの冬道でのこうした心配は、ぐっと減ります。
2 雪国で借りると、最初から付いていることが多い
冬タイヤを手に入れるいちばん楽な方法は、雪国で借りることです。
雪の多い地域では、冬のあいだ、全部の車に冬タイヤが最初から付いている会社があります。申し込みは要りません。
ニッポンレンタカー(2026年4月21日現在)
- 北海道
- 東北(青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県)
- 長野県、新潟県、山梨県
- 北陸(福井県、富山県、石川県)
トヨタレンタカー(2026年4月〜2027年5月の案内)
- 北海道
- 東北(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)
- 新潟県、長野県
- 北陸(富山県、石川県、福井県)
- 鳥取県
- 岐阜県は、高山駅前店だけ
そのかわり、この期間は冬の季節料金が加わります(両社の案内)。
期間は、会社によって違います。
たとえば同じ北海道でも、冬タイヤが付く期間の終わりは、ニッポンレンタカーで4月20日、トヨタレンタカーで5月5日です。トヨタレンタカーは、期間は変わることがある、とも書いています。
春先や初冬に借りるなら、予約の画面か会社の案内で、冬タイヤが付くかを確かめます。
雪国の入口までは列車で行き、そこで借りる。そんな組み立てにすれば、冬タイヤのことを考える手間がひとつ減ります。
3 雪国の外で借りて、雪の地域へ入るとき
東京や大阪、福岡などで借りて雪の山へ向かうなら、予約の画面で冬タイヤを選びます。
こうした地域は、上の2社の一覧に入っていません。ニッポンレンタカーは、冬タイヤが最初から付く地域のほかでは、予約しなければ普通のタイヤの車を用意する、と案内しています。冬タイヤの車は数に限りがある、とも書いています。
トヨタレンタカーやオリックスレンタカーでは、予約画面のオプションで冬タイヤを選べます。扱いが時期や地域、店で違う会社もあります(タイムズカーレンタル)。画面に出てこなければ、予約する会社に聞いてみます。
九州の阿蘇・九重も、冬は雪の行き先のひとつです。ニッポンレンタカーは、ここを冬タイヤを申し込んでほしい地域に挙げています。ふだん雪の降らない地域でも突然の大雪になることがある、と九州地方整備局も呼びかけています。
予約のときに冬タイヤを付けておけば、東京で借りた車で、軽井沢や河口湖の雪景色の中へも入っていけます。
4 4WD 急な坂や山道が多いなら、足すもの
4WDは、冬タイヤの代わりにはなりません。
NEXCO中日本は、冬用タイヤ規制のときは、四輪駆動車でも、冬用タイヤかチェーンを付けていなければ走れない、と案内しています。
では、4WDは何に効くのか。
JAFの試験(新品の冬タイヤを付けた4台)では、とても急な雪の上り坂を、4WDの2台は上りきり、4WDでない2台は途中で滑って上れませんでした。
一方で、止まるほうは違いました。平らな道では、止まるまでの距離に大きな差はなく、下り坂では4WDのほうが長くなりました。
JAFは、4WDでも止まるまでの距離が短くなることはない、としています。
つまり、4WDは上りに効き、止まるのには効きません。
同じ試験では、ゆるやかな坂なら4台とも上れました。
順番は、冬タイヤが先です。そのうえで、急な坂や山道が多い旅なら、4WDを足すと上りの助けになります。
4WDは、予約のときに指定します(トヨタレンタカー。ニッポンレンタカーは冬タイヤと同じ画面で選べます)。
5 チェーン 大雪の日の「チェーン規制」の道具
チェーンには、2つの場面があります。
ふだんの冬
NEXCO中日本の高速道路の「冬用タイヤ規制」は、冬用タイヤかチェーンのどちらかを付けていれば走れる規制です。
冬タイヤの車なら、この規制が出ている日も、そのまま走れます。
大雪の日の「チェーン規制」
もうひとつが「チェーン規制」です。
大雪特別警報や、大雪に対する緊急発表が出るような、異例の大雪のときに、決まった区間で出ることがあります(国土交通省)。
このときは、冬タイヤを履いていても、チェーンを付けていなければ通れません。4WDも同じです。4WDは車が重く、下り坂で急ブレーキをかけたとき、止まるまでの距離が長くなるから、と国土交通省は説明しています。
チェーンは、借りられないこともあります。ニッポンレンタカーとタイムズカーレンタルは、チェーンを貸していません。トヨタレンタカーは店によるので、予約のあとで予約センターに問い合わせる形です。
その日は、もともと「道が閉まる日」
チェーン規制は、これまでなら通行止めになっていたような大雪のときに、チェーンを付けた車だけを通すためのしくみです。
つまり、チェーン規制が出るのは、もともと道が閉まるほどの大雪の日です。
そういう日は、無理に峠を越えず、宿の温泉や雪見で過ごす日にしてしまう手もあります。
どの道が止まりやすいか、止まったらどうするかは「道が閉まる日・止まる日」で、電光表示の日本語は「雪道の日本語ミニ辞典」で紹介します。
雪道に慣れていないなら
雪道を走ったことがないなら、無理に全部を車で回らなくてもかまいません。
雪国の中は列車やバス、ツアーにまかせて、車は雪の少ない区間だけで使う。そんな組み合わせも選べます。
雪道の走り方は「雪道の走り方」で紹介します。
まずは、これだけ
雪の地域に入るなら、冬タイヤの車を予約する。
4WDは、急な上り坂が多いときに足すもの。
チェーン規制が出るほどの大雪の日は、走らない日にする。
行き先さえ決まれば、冬の装備はここまでで選べます。