2026年10月時点の、公的機関やレンタカー会社、高速道路会社の案内をもとにしています(法律の解説ではありません)。
まず、これだけ
次の5つは、答えが同じです。
・当日、冬タイヤの車は「ない」と言われた
・冬タイヤなしで来てしまった
・「チェーンが要る」と言われた
・大雪の知らせが出た
・台風や大雨が近づいている
その日は、走らない日にする。
峠を越える予定だった日は、宿の温泉と雪見の日に。台風なら、外の予定は、晴れることの多い翌日に。日と行き先を入れ替えれば、旅はそのまま続けられます。
旅を組み立てるとき
雪道を運転したことがない。右ハンドルも初めて。冬に借りても大丈夫?
雪道を走らない借り方もできます。
雪国の入口の駅までは列車で行き、そこで借りる。雪国の中は列車やバス、ツアーにまかせて、車は走りやすい区間で使う。そんな組み合わせもあります。国の観光局(JNTO)も、雪の中の運転はできるだけ避けて、電車やバスを使うよう強く勧めています。
車で走る日は、1日に走る距離を短めにして、日が沈む前に宿に着く予定にします。走る日と、列車やバスにまかせる日を分ければ、雪の景色は両方から楽しめます。
→「冬の日本を車で旅する|先に決めるのは『どこで借りて・いつ走り・走らない日をどうするか』」/「雪道の走り方|『急』をつけずに、車間をあける」
この道(白川郷・高山・草津など)は、冬に走れる?
道ごとに答えるかわりに、確かめ方を3つ。
① 行き先が雪の地域なら、冬タイヤの車にする。
② 峠や山の道を通るなら、冬のあいだ閉まる道でないかを、行く前に確かめる。
③ 走る日は、その日閉まっていないかを見る。
冬に閉まる道は、県や区間ごとに発表されます。その日の道は、国の道路なら国土交通省の「道路情報提供システム」、高速道路なら「ドライブトラフィック(ドラとら)」で見られます。どちらも英語・韓国語・繁体中文の入口があります(首都高速・阪神高速と、地方の道路公社の道路は、どちらにも出ません)。
冬に閉まる道は、春に開くと、それ自体が行き先になります。たとえば岩手と秋田にまたがる八幡平アスピーテラインは、4月中旬に開くと、雪の壁のあいだを走れる「雪の回廊」になります(時期は年によって変わります)。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン|要るかは『行き先』で決まる」/「道が閉まる日・止まる日|閉まる道は、先に調べられる」
カーナビが、雪の細い山道へ連れていかない?
連れていくことがあります。
カーナビは、その日の道の状態を考えに入れずに、ふだんの道順を出すことがあります。雪の日は、細い道を避けて、主な幹線道路を選びます。道順に峠や山の道が入っていたら、その道が冬に閉まる道でないかを、先に確かめます。
→「冬の日本を車で旅する」/「道が閉まる日・止まる日」
予約するとき
冬タイヤは要る? 東京や大阪、福岡で借りても?
要るかは、借りる場所ではなく、走る場所で決まります。
雪のない所で借りても、雪の地域を走るなら冬タイヤが要ります。東京や大阪、福岡などで借りて雪の地域へ向かうなら、予約の画面で冬タイヤを選びます。ニッポンレンタカーは、東京から近い軽井沢や河口湖、九州の阿蘇も、その雪の多い行き先に挙げています。
冬タイヤを付けておけば、東京で借りた車で、軽井沢や河口湖の雪景色の中へも入っていけます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
天気予報は晴れ。冬タイヤはいらない?
行き先が雪の地域なら、要ります。
借りる所で降っていなくても、行き先では降ることがあります。出発のときに雪が見えなくても、場所や時間が変われば、道の様子は変わっていきます。日陰のカーブは、雪がないように見えても凍っていることがあります。
冬タイヤの車なら、晴れた日の雪景色の中へも、自分で選んで入っていけます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」/「雪道の走り方」
冬タイヤなしで雪道を走ったら、違反? 止められる?
雪や凍った道を、冬タイヤやチェーンなどのすべり止めなしで走るのは法令違反になる、と国土交通省の九州地方整備局が案内しています(中身は都道府県ごとの規則で決まっています)。
NEXCO中日本の高速道路で「冬用タイヤ規制」が出ているときは、冬用タイヤもチェーンも付けていない車は走れず、近くのインターチェンジで降りることになります。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
冬タイヤは、最初から付いてくる? 追加料金は?
ニッポンレンタカーやトヨタレンタカーでは、北海道・東北・新潟・長野・北陸など雪の多い地域の店で、冬のあいだ、全部の車に冬タイヤが最初から付いています(どの店・どの期間かは会社ごとに違います)。申し込みは要りません。そのかわり、その期間は冬の季節料金が加わります。
雪国の外で借りるなら、予約で冬タイヤを付けます。雪国の入口までは列車で行き、そこで借りれば、冬タイヤのことを考える手間がひとつ減ります。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
何月から何月まで、冬タイヤが要る? 10月や5月は?
会社と地域によって違います。
日本には、9月の終わりから5月まで雪の降る地域があります。冬タイヤが最初から付く期間も会社で違い、同じ北海道でも、期間の終わりはニッポンレンタカーで4月20日、トヨタレンタカーで5月5日です。
春先や初冬に借りるなら、予約の画面か会社の案内で、冬タイヤが付くかを確かめます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
予約の画面で、冬タイヤが選べない。あとから足せる?
会社に頼めることがあります。
ニッポンレンタカーなら、普通のタイヤでいったん予約し、予約番号を添えて英語の窓口に冬タイヤの追加を頼みます。空き次第で、付けられないこともあります。
ほかの会社でも、画面に出てこなければ、予約する会社に聞いてみます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」/「レンタカーで困ったとき|Q&A」
4WDは要る?
冬タイヤが先です。4WDは、冬タイヤの代わりにはなりません。
4WDは上りに効き、止まるのには効きません。急な上り坂や山道が多い旅なら、冬タイヤに足すと、上りの助けになります。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
チェーンは要る? 借りられる?
チェーンが本当に必要になるのは、異例の大雪のときに、決まった区間で「チェーン規制」が出たときです。このときは、冬タイヤでも4WDでも、チェーンを付けていなければ通れません。
チェーンを貸していない会社もあります(タイムズカーレンタル、バジェット・レンタカー)。トヨタレンタカーは店によるので、予約のあとで予約センターに問い合わせる形です。
チェーン規制が出るのは、もともと道が閉まるほどの大雪の日です。その日は無理に峠を越えず、宿の温泉や雪見で過ごす日にしてしまえます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
走る日
朝、窓が凍っていたら? ワイパーを立てておくのはなぜ?
暖房(デフロスター)で、時間をとって溶かします。お湯をかけると、温度差でガラスが割れたり、溶けた水がすぐに凍りついたりするおそれがあります。走り出す前には、屋根の雪も落とします。
寒い所で停めるときにワイパーを立てておくのは、濡れたワイパーが凍ると、窓に張りつくからです。
朝は少し早めに車へ。窓の氷が溶けるのを待つあいだは、雪の朝の景色を眺める時間にできます。
→「雪道の走り方」
冬タイヤでも滑る? 「黒い氷」って?
滑ります。冬タイヤを付けていても、踏み固められた雪の道は、ふつうの道より滑りやすくなります。
濡れたように黒く見えて、実は表面が凍っている道を「ブラックアイスバーン」と呼びます。白く見えないので、気づきにくい路面です。
凍りやすいのは、橋の上、トンネルの出入り口、日陰。場所の見当がつくので、その手前で、先に速度を落とせます。
→「雪道の走り方」
雪が降っていなくても、夜の道は凍る?
凍ることがあります。
昼間は濡れているだけの道も、夜になって気温が下がると、滑りやすくなります。気温が下がる朝晩は、昼間とはまったく違う道だと考えておきます。道が凍りやすい時刻は、日が沈む時刻と近いところにあります。
その日の宿には、日が沈む前に着く予定にしておきます。
→「雪道の走り方」/「冬の日本を車で旅する」
吹雪で、前が見えなくなったら?
速度を落とします。
天気が荒れてきたら、動けなくなる前に、コンビニやバスの待合所、道の駅のような、止まれる場所へ入ります。道に戻っても安全になるまで、そこで待ちます。
動けなくなったときのことは、下の「吹雪で前が見えず、動けなくなった」へ。
吹雪の予報が出た日は、はじめから、宿で雪を眺める日にしておけます。
→「雪道の走り方」/「道が閉まる日・止まる日」
天気が荒れる日
大雪で、高速道路が止まる? 閉じ込められる?
止まることがあります。大雪が予想されると、車が動けなくなる前に、前もって道を閉めることがあります(予防的通行止め)。冬タイヤの車でも、動けなくなった車の長い列に巻き込まれることがあります。
ただ、大きな雪ほど、前もって知らされます。旅のあいだは、毎日、行き先の道と天気の知らせを見ておきます。
やむをえず出かける日は、燃料を入れておき、食べ物や水を持ち、毛布やスコップも積んで出ます。
知らせが出たら、その日の峠越えを、ほかの日の予定と入れ替えます。前もって分かれば、宿の予約や行き先の順番を入れ替える時間もあります。
→「冬の日本を車で旅する」/「道が閉まる日・止まる日」/「故障・パンク・バッテリー・キー・ガス欠|止まったときの手順カード」
台風や大雨の日に、レンタカーで走っていい?
走らない日にします。
台風のときは、歩きでも車でも外に出ないように、と国の観光局(JNTO)は書いています。大雨や台風で高速道路に影響が出そうなときは、前もって知らせを出す高速道路の会社もあります。高速道路の知らせを見る場所は、雪のときと同じ「ドラとら」などです。
走っている途中で大雨にあったら、川沿いや海岸沿い、それにアンダーパスなど周りより低い所には、絶対に入らず、回り道をします。冠水した道は、見た目では深さが分かりません。
雨がやんでも、高速道路がすぐに開くとは限りません。翌日に車で動くなら、出る前に道の知らせを見ます。
台風は、多くが24時間もたたずに通り過ぎ、翌日は晴れることが多いです。外の予定は、その翌日に回します。
予約の取り消しは「レンタカーで困ったとき|Q&A」へ。
→「レンタカーで困ったとき」/「道が閉まる日・止まる日」
霧や豪雨で、前が見えない
霧や豪雨で前が見えにくいときは、ライトを点けて、速度を落とします。
→「雪道の走り方」
困ったとき
当日、冬タイヤの車は「ない」と言われた
その日は、雪や凍った道に入らない日にします。
ニッポンレンタカーでは、雪の多い地域の外の店だと、冬タイヤの車が満車のとき、用意できないことがあります。バジェット・レンタカーも、満車だと希望の期間に用意できないことがあり、雪が降っているときは運転を控えるように、としています。
雪の道は走らず、列車やバスで雪景色を見に行く日にします。次に借りるときは、冬タイヤを予約のときに付けておきます。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」/「冬の日本を車で旅する」
冬タイヤなしで来てしまった。予報より雪が多い。明日、山へ行く?
冬タイヤのない車で、雪の山へは行きません。
バジェット・レンタカーは、冬のあいだは店でタイヤを替えておらず、お客さまによる冬タイヤの購入や履き替えも、パンクなどのときを除いて受けていません。
明日は、列車やバスで雪の景色を見に行く日にします。車は、雪のない区間で使います。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」/「冬の日本を車で旅する」
「チェーンが要る」と言われた。どこで手に入れる?
まず、借りた会社に聞きます。
チェーンを貸していない会社もあります。バジェット・レンタカーなら、タイヤ専門店やカー用品店で買うことになり、どのチェーンがタイヤに合うかも、会社では答えてもらえません。
ただ、チェーン規制が出るのは、もともと道が閉まるほどの大雪の日です。その日は峠を越えない日にします。
→「冬タイヤ・4WD・チェーン」
走っている途中で通行止めになった。高速道路を降ろされた
道路の係員がいれば、その指示に従って、Uターンや回り道をします。
そのあとは、回り道を確かめる、宿にとどまるか戻る、行き先を変える、といった選び方があります。高速道路と一緒に、並んで走る国道も閉まることがあるので、下の道で行けるとは限りません。
道によっては、いつ開く見込みかも知らされます。開くまで宿や道の駅で待つ時間も、旅の予定に組み込めます。
→「道が閉まる日・止まる日」
吹雪で前が見えず、動けなくなった。エンジンは?
することは4つです。
すぐに救助を頼み、車の中で待つ。
マフラー(排気口)のまわりの雪を、ときどきどける。
雪をどけたうえで、空気も入れ替える。
エンジンは、雪が降っているあいだは、できるだけ切る。
内閣府(防災)や北海道開発局、JAFの案内です。吹雪の中で車から離れると、車がどこにあるか分からなくなるおそれがあります。車から出るのは、避難できる場所や、救助の人に連絡がつく場所が見えているときだけです。排気口が雪でふさがると、排気ガスが車の中に入り、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。窓を少し開けるだけでは防げないので、雪をどけることと空気を入れ替えることの、両方をします。
救助は、警察などに頼みます(110)。そのあと、借りたときの紙の番号で、レンタカー会社にも知らせます。
事故や故障で止まったときは、手順が違います。「高速道路で止まったら|車の中で待たない」を見てください。
大きな雪は、前もって知らされます。吹雪の予報が出た日を、はじめから宿で雪を眺める日にしておけば、この出番は遠のきます。
→「道が閉まる日・止まる日」/「高速道路で止まったら|車の中で待たない」/「事故・故障のときの電話と日本語|1枚のカード」
雪にはまって、動けない
マフラー(排気口)のまわりが雪に埋まると、排気ガスが車の中に流れ込み、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。エンジンをかけているときは、マフラーのまわりの雪をときどきどけます。
手順は「故障・パンク・バッテリー・キー・ガス欠|止まったときの手順カード」にまとめています。
→「故障・パンク・バッテリー・キー・ガス欠」
雪で動けなくなったときのロードサービスは、対象の外?
会社によって扱いが違います。雪道でタイヤが空回りして動けないときは、ロードサービスの対象の外、としている会社もあります。
→「故障・パンク・バッテリー・キー・ガス欠」/「保険・補償で困ったとき|まず、借りた会社に連絡する」
雪の壁や駐車場で、自分だけぶつけた
相手のいない小さな事故でも、警察(110)に連絡し、借りた会社にも知らせます。
→「小さな傷でも110|警察に届けた1枚が、あとで要ることがある」
※冬タイヤが付く店と期間、チェーンの扱い、通行止めの出し方と知らせの出る場所は、会社や店、地域、道路によって違い、変わることがあります。予約の前に、借りる会社の最新の案内で確かめてください。実際に雪や大雨の中で困ったときは、警察や道路の係員の指示と、借りた会社の案内に従ってください。
参考にした公式情報(28件)
・ニッポンレンタカー:FAQ(英語)
・ニッポンレンタカー:Winter tires are required in areas where it snows(英語)
・ニッポンレンタカー:スタッドレスタイヤオプション
・トヨタレンタカー:スタッドレス全車標準装備店舗・期間
・トヨタレンタカー:ACCESSORIES AND OPTIONS(英語)
・タイムズカーレンタル:車両・オプションに関するご質問
・バジェット・レンタカー:スタッドレスおよびチェーン取り扱い店舗のご案内/Snow Tires and Snow Chains Available Locations(英語)
・九州地方整備局:大雪による積雪・路面凍結に注意(2022年)
・NEXCO中日本:冬道の交通規制
・JNTO(日本政府観光局):What you Need to Know When Driving in Japan during Winter(英語・2022年)
・JNTO(日本政府観光局):Weathering Typhoons in Japan(英語・2020年)
・NEXCO中日本:大雨・台風接近時は、お出かけ前に最新の気象予測や道路交通情報をご確認ください/英語
・NEXCO東日本:東日本の広い範囲で台風10号による大雨・強風の影響にご注意ください(2024年)
・JAF:台風・大雨時のクルマに関する注意点/How to protect yourself in a flood(英語)
・国土交通省:水深が床面を超えたら、もう危険!(2019年)
・JAF:雪道での旋回テスト(2017年)
・JAF:濃霧のとき、前方のクルマや歩行者はどう見える?(JAFユーザーテスト)(2018年)
・JAF:豪雨のとき、前方のクルマや歩行者はどう見える?(JAFユーザーテスト)(2018年)
・国土交通省:道路情報提供システム
・東北観光推進機構:Hachimantai Aspite Line Snow Corridor(英語)
・NEXCO東日本:Drive Traffic(ドラとら)(英語)
・内閣府(防災):暴風雪等への対応についての国民への呼びかけ
・北海道開発局:Warnings at the time of heavy snow or blizzards(英語・PDF)
・JAF:クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意(2015年)
・JAF:雪で埋まった場合の一酸化炭素中毒の危険性とは?
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