旅館に泊まる日が、決まりましたか。
はじめての旅館は、何が起きるのか分からなくて、少し緊張するかもしれません。
でも、旅館の玄関から先は、ホストの「家」のようなもの。宿の人は、あなたを友人や家族のように迎えるつもりで待っています。
靴を脱ぐところも、お風呂も、浴衣も、宿の人が説明してくれます。分からないことがあれば、その場で聞けば大丈夫です。言葉が不安なときは、スマートフォンの翻訳アプリの画面を見せながら聞いてみてください。
先に、1泊の流れを置いておきます。
- 午後3時ごろから、チェックイン。早く着いたら、荷物を預けて出かけられる
- 部屋でひと息。夕食と朝食の時間は、チェックインのときに決める
- 夕食の前に、お風呂と浴衣
- 夕食から戻ると、部屋が寝室に変わっている宿も
- 夜は、門限のある宿が多い
- 朝ごはんを食べて、午前10時〜12時ごろにチェックアウト
1 着く ― 午後3時ごろから

旅館のチェックインは、ホテルと大きくは変わらず、午後3時〜4時ごろから始まるのがふつうです。
それより早く着いたら、ほとんどの旅館では、フロントで荷物を預かってくれます。
荷物を預けたら、身軽になって近くを歩いてから戻ってこられます。
ただし、家族で営む小さな宿では、待つ場所がなかったり、人が出かけていたりすることもあります。早く着きそうなら、先に連絡しておきましょう。
遅くなりそうなとき
旅館の夕食は、時間が決まっていることが多く、着くのが遅すぎると食べられないことがあります。
何時までに着けばよいかは、宿によって違います。夕方6時ごろまでに、という宿もあれば、夜7時ごろまで待ってくれる宿もあります。
予定より大幅に遅れそうなら、その時点で宿に連絡します。夕方5時を過ぎそうなら連絡を、と頼んでいる宿もあります。
裏を返せば、早めに着くほど、夕食までの時間がまるごと自由になります。旅館は、食事の前の時間にも、温泉や館内をゆっくり楽しむための場所です。
2 部屋に入ったら ― まず、ひと息

チェックインのときに、または部屋に、お茶とちょっとしたお菓子が用意されていることがあります。長い移動のあとに、まずはひと息。
旅館の和室には、ふつう低いテーブルと、脚のない座椅子が置いてあります。
最近はベッドのある部屋を用意する旅館も増えています。ベッドで寝たい人は、予約の前に宿に問い合わせてみてください。
チェックインのときには、たいてい夕食と朝食の時間を聞かれます。決められた時間帯の中から、希望を伝えます。
お風呂の場所と時間、食事の場所、浴衣の置き場所なども、このとき案内してもらえます。部屋に案内の紙があれば、時間を確かめ直すときに見てみてください。
3 夕食の前 ― お風呂と浴衣

旅館の泊まり客は、夕食の前、夕食のあと、朝食の前にお風呂に入るのがよくある過ごし方で、1泊のうちに何度も入る人も珍しくありません。
旅館の大浴場は、ふつう予約なしで入れます。
宿の中では、浴衣を泊まっているあいだずっと着ていられます。食事にも、お風呂にも、寝るときにも。
夕食に浴衣で行く人が多いですが、自分の服のままでもかまいません。
浴衣のまま宿の外へ出られるか、スリッパで出歩けるかは、宿によって違います。
刺青(タトゥー)がある人は、大浴場に入れるかどうかが宿によって大きく違うので、予約の前に宿に確かめておきます。
お風呂の入り方は「大浴場と温泉」、浴衣とスリッパのことは「靴を脱ぐ・スリッパ・浴衣」の記事にまとめます。
4 夕食 ― 夜のいちばんの時間

旅館の夕食は、その土地の特産物や、その時期の旬の食材を使った料理であることが多く、準備に手間がかかります。時間が決まっているのは、そのためです。


食べる場所は、宿によって、自分の部屋だったり、別の個室だったり、みんなで使う食事処だったりします。
料理が1品ずつ続く宿では、夕食に2時間から2時間半ほどかけることもあります。夜の予定は入れずに、ゆっくり味わう時間です。


食べられないものがある人は、予約のときに伝えておきます。伝え方は、食事の記事で。
お酒は?
夕食のときのお酒は、ふつう宿泊代とは別に頼み、最後の精算にまとめて加わります。自分で買ったお酒を持ち込めるかは宿によって違うので、持ち込みたいときは先に宿に聞いておきましょう。
5 戻ると、部屋が寝室に

宿によっては、夕食のあいだに係の人が布団を敷いてくれます。戻ると部屋が寝室に変わっていて、驚くかもしれません。
こうした宿では、同じ和室が、時間によって居間にも寝室にもなります。部屋で夕食を食べる宿なら、食堂にも。その模様替えをしてくれるのが、係の人です。
ホテルの和室などでは、自分で布団を敷くこともあります。ベッドの部屋を選べる宿もあります。
6 夜 ― よく眠って、朝いちばんのお風呂へ
「門限」(夜、宿に出入りできなくなる時刻)を決めている旅館は多くあります。門限がある宿では、夜遅く(たとえば0時)より後は、出入りができなくなります。
門限のある宿では、その時間までに戻っておきましょう。
門限のない宿、門限のあとでもフロントに人がいる宿、夜遅く戻る人に鍵を渡してくれる宿もあります。気になる人は、宿に問い合わせてみてください。
夜遅くの入浴と、お酒を飲んだあとの入浴は、事故を防ぐために控えます。
大浴場は、掃除の時間を除いて、夜遅くや朝早くにも入れる宿が多くあります。夜はしっかり眠って、朝いちばんのお風呂から次の日を始めるのも、旅館ならではの楽しみです。
7 朝 ― 朝ごはんと、チェックアウト



朝食の時間は、前の日のチェックインのときに決めてあります。場所は、夕食と同じところのことがよくあります。
チェックアウトまでには、朝のお風呂に入って、朝食をゆっくり食べるくらいの時間があります。
朝食のあいだに係の人が部屋に入り、布団を片づけてくれる宿もあります。片づけに来ない宿なら、布団は敷いたままにしておきます。部屋のほかの所は、ひととおり整えておきましょう。
チェックアウトは、午前10時〜12時の宿が多くあります。
浴衣やバスタオルは、宿に置いて帰るものです。手ぬぐいは持ち帰ってよい、という宿もあります(ある宿では、いつも新しいものを用意しているから、という理由でした)。
持ち帰ってよいものは宿によって違うので、迷ったら宿の人に聞いてみてください。
チェックアウトは、たいていフロントかロビーで。お金の払い方は、宿のお金の記事にまとめます。
チップは?
旅館でチップは要りません。サービス料は宿泊料に含まれている、と案内している旅館もあります。
ごく一部の高級旅館には例外もあるとされますが、渡さなくて困ることはありません。
チップを渡しても渡さなくても、扱いは変わらない、と書いている旅館もあります。
感謝を伝えたいときは、「ありがとうございました」のひと言と、笑顔で。
宿に聞いておくこと
- ベッドで寝たい → 予約の前に
- 刺青(タトゥー)がある → 予約の前に
- 小さな宿に早く着きそう → 着く前に
- 夕食に遅れそう → 分かった時点で
- お酒を持ち込みたい → 持ち込む前に
- 門限が気になる → 出かける前に
分からないことがあれば、宿の人に聞けば大丈夫です。それも、旅館の1泊の一部です。