旅館に着いて、部屋でひと息ついたら、次は大浴場です。
広いお湯にゆったり浸かって、旅の疲れを流す。旅館に泊まったら、ぜひ味わいたい時間です。
でも、知らない人の前で裸になるのは、はじめてだと少し勇気がいるかもしれません。作法が分からない。刺青があるけれど、入れるのか。そんな心配もあるでしょう。
入り方は、いくつかの決まりを知っておけば足ります。入れないときや、入りたくないときにも、湯に浸かる別の道があります。
先に、この記事で見ることを置いておきます。
- 入り方 ― 湯船の前に体を流す。タオルは湯に入れない
- お楽しみ ― 朝と夜で男湯と女湯が入れ替わる宿なら、別のお風呂に2回
- 人前が恥ずかしいとき ― 小さいタオルで隠して歩ける。貸切風呂や部屋のお風呂という道も
- 刺青があるとき ― 予約の前に宿に聞く。貸切風呂や部屋のお風呂という出口も
1 大浴場へ ― 入口は「男」「女」の字で
部屋に用意された小さいタオルを持って、大浴場へ向かいます。大きいバスタオルは、たいてい部屋か脱衣所にあります。
部屋から大浴場までの服装や浴衣のことは、「靴を脱ぐ・スリッパ・浴衣」の記事にまとめます。
大浴場の入口には、のれんが下がっています。「男」とあれば男湯、「女」とあれば女湯です。
男湯は青、女湯は赤ののれんが多いものの、決まってはいません。色ではなく、字の形で覚えておきます。
男湯と女湯が時間で入れ替わる宿もあるので、入るたびに字を見ます。
2 入り方 ― 湯船の前に、体を流す
脱衣所で、服を全部脱ぎます。水着も着けずに入ります。
浴室に入ったら、湯船に入る前に、かけ湯をしたり体を洗ったりします。洗い場には、たいてい腰かけと桶、シャワー、石けんやシャンプーがそろっています。
かけ湯は、桶でお湯を体にかけること。手足から始めて、全身へ。熱いお湯に体を慣らして、急に血圧が上がるのを避けるためです。
体をきれいにして準備ができているほど、人と一緒の湯船でも、気持ちよく過ごせます。
湯船の中で
湯船は、静かにくつろぐ場所です。ゆったりお湯に浸かって、旅の疲れをほどく時間。だから、話すときは小さな声で。
お湯は、みんなで使うもの。きれいに保つために、小さいタオルは湯に入れず、たたんで頭の上にのせるか、湯船のふちに置いておきます。長い髪も、束ねてから入ります。
裸の姿を撮られるのを、いやだと感じる人もいます。スマートフォンは脱衣所に置いていき、写真は撮りません。
体のために
お酒を飲んだあとは、入浴を避けます。
入る前には、コップ1杯ほどの水を。
はじめから全部を完璧にこなせなくても、心配しすぎることはありません。決まりに目を通したら、深呼吸をひとつ。あとは、お湯を楽しむだけです。
3 お楽しみ ― 朝と夜で、別のお風呂
宿によっては、朝と夜で男湯と女湯が入れ替わり、別のお風呂に2回入れます。
入れ替わったあとには、夜に入ったのとは違うお風呂が待っています。夜だけで帰ると、もう片方を知らないまま、ということになります。
入れ替わる時間は、チェックインのときに聞いておきます。掲示に「男女入替」とあれば、男湯と女湯の入れ替えのことです。
朝風呂の前にも、コップ1杯の水を。
4 人前で裸になるのが、恥ずかしいとき
脱衣所は、男女で分かれています。大浴場も、ほとんどが男女別です。
脱衣所から湯船までは、小さいタオルで前を隠して歩いてかまいません。
最初は少し落ち着かないかもしれません。でも日本では、人と一緒にお風呂に入るのはごくふつうのこと。周りの人も、互いにじろじろ見ないよう気をつかうのがふつうです。
それでも気になるなら、貸切風呂や部屋のお風呂
家族や連れと、自分たちだけで入れるお風呂を持つ旅館もあります。大きく分けて、2つあります。
- 部屋のお風呂 ― 部屋についていて、いつでも入れる
- 貸切風呂 ― 時間を決めて貸し切るお風呂。「家族風呂」とも呼ばれます。予約が要るので、宿に着いたらフロントで聞きます
別に料金がかかったり、部屋代が高めだったりすることが多いものの、無料で使える宿もあります。
誰にも気をつかわず、家族やカップルで同じお湯に浸かれる。人前が気になる人には、ぴったりの入り方です。部屋にお風呂がついた旅館を選ぶのも、1つの方法です。
5 刺青(タトゥー)があるとき
宿によっては、刺青があっても湯に浸かる道があります。出口になりうるのは、3つです。
- 予約の前に、宿に聞く
- ごく小さな刺青なら、シールで隠して入れる温泉もある
- 貸切風呂や部屋のお風呂を使える旅館もある
入れるかどうかは、旅館によって大きく違います。日本全体で決まった線はなく、それぞれの宿が決めています。
予約の前に、宿に聞く
刺青が気になるなら、予約の前に宿に問い合わせます。予約のときのメッセージ欄やメールで、英語で聞いてみてください。
刺青があってもとくに制限しない旅館や、小さな刺青がひとつ入っているくらいなら問題ない、とする旅館もあります。刺青のおおよその大きさも一緒に伝えておくと、宿も答えやすくなります。
ごく小さな刺青なら、シールで
刺青を隠すためのシールを用意したり、売ったりしている温泉もあります。隠せるのは、ごく小さな刺青だけ。シールで入ってよいかは、予約の前に聞くときに一緒に確かめておけます。
大浴場が難しければ、貸切風呂か部屋のお風呂
一部の旅館では、大浴場のほかに貸切風呂や部屋のお風呂があり、刺青があってもお風呂を楽しめるようになっています。
まわりの目を気にせず、自分たちだけで、ゆっくり湯に浸かれます。日本のお風呂を、じっくり味わえる入り方です。
まずは、これだけ
- 湯船の前に、かけ湯をしたり体を洗ったりする
- 小さいタオルは湯に入れない。頭の上か、湯船のふちへ
- のれんは、色ではなく「男」「女」の字で見る
- 男湯と女湯が入れ替わる宿なら、入れ替わったあとに、もう1つのお風呂へ
- 人前が気になるなら、貸切風呂や部屋のお風呂がある
- 刺青があるなら、予約の前に宿に聞く
あとは、ゆっくり湯に浸かって、旅の疲れを流すだけです。