日本の外食は、入口で分かる|見るのは3つだけ

日本で外食するとき、メニューが読めるかどうかより先に、役に立つことがあります。

店の入口を、ひと目見ることです。

入口には、その店の使い方の手がかりが出ています。見るのは、次の3つです。

・入口に、券売機があるか

・店先に、料理の見本(食品サンプル)が並んでいるか

・入ると「いらっしゃいませ」と声がかかり、席へ案内されるか

これが分かると、どう注文して、いつ払う店なのかが、入る前に見えてきます。

1 入口に券売機 ― 注文も支払いも、そこで済む

ラーメン店や牛丼店では、入口の近くに券売機(食券の自動販売機)が置かれていることがよくあります。

使い方は、お金を入れて、料理や飲み物のボタンを押すだけ。おつりと、出てきた券を受け取ります。その券を店の人に渡して、席で待てば、料理が運ばれてきます。

つまり、日本語をひと言も話さずに、注文と支払いが終わる店です。

ラーメン店のなかには、券売機ではなく、店の人に口頭で頼む店もあります。

ラーメン店や牛丼店は、日本でも一人で入る人がよくいる店です。券売機の店なら、券を買って、渡して、待つだけ。一人旅の日の食事にも、気がねなく使えます。

ボタンが日本語だけで読めないときは、スマートフォンの翻訳アプリを使うか、券売機を指さして店の人に聞いてみましょう。お札の入れ方やボタンの探し方は、「券売機の店」の記事で紹介しています。

2 店先にサンプル ― 何の店で、いくらくらいか

店先のショーケースに、料理そっくりの見本が並んでいる店があります。これが食品サンプルです。

サンプルを見れば、どんな料理が、どれくらいの値段で出てくるかが、店に入る前に分かることが多いです。

メニューが日本語だけでも、あわてなくて大丈夫です。サンプルを指さして注文できます。店の中で言葉が通じなければ、いったん外へ出て、サンプルを指さして伝えるという手もあります。

食品サンプルは、大正の終わりから昭和のはじめに、日本で生まれたとされています。

並んでいるものは、店ごとに違います。通りを歩きながら見比べるのも、日本の外食のたのしみの1つです。

3 「いらっしゃいませ」と席へ ― 注文は席で、支払いは最後に

入ると「いらっしゃいませ」(ようこそ、の意味)と声がかかり、人数を聞かれて、席へ案内される店もあります。人数を聞く言葉は、たとえば「何名様ですか」(何人ですか)です。

こうした店では、入口で少し待てば、店の人が席まで案内してくれます。

席に着くと、まず水やお茶が出てくることがよくあります。頼まずに出てくる水は、ふつうは無料です。

注文は、席で。店の人を「すみません」と呼ぶか、テーブルに呼び出しボタンがあれば押します。

最近は、テーブルのタブレットや、QRコードを自分のスマートフォンで読んで注文する店も増えました。こうした画面は、多言語で写真つきのものが多く、ここでも話さずに注文できます。

支払いは、食べ終わってから。伝票を持って出口の近くのレジで払う店もあれば、テーブルで払う店もあります。

居酒屋は、最初にひと皿

この型の中でも、居酒屋には、ちょっとした特徴があります。

注文する前に、小皿の料理が出てくることがあります。「お通し」と呼ばれ、会計のときに料金がかかることがあります。席料(テーブルチャージ)のようなものです。

何が出てくるかは、座ってからのお楽しみです。

居酒屋や気軽な店では、グループで行くと、料理をみんなで取り分けるのがふつうです。一人ずつ自分の分を頼む店もあります。

居酒屋の楽しみ方は、「居酒屋」の記事で紹介しています。

まずは、この3つだけ

券売機があれば、先に買う。

サンプルがあれば、指さして伝えられる。

席へ案内されたら、注文は席で、支払いは最後に。

この3つを知っていれば、店の前で、入るかどうかを落ち着いて決めやすくなります。

入口には、ほかにも手がかりが

3つの目印のほかにも、入口で分かることがあります。

使えるカードや電子マネーは、店の入口やレジにマークで出ていることがあります。「現金のみ」(現金だけ)や「各種カード使えます」(いろいろなカードが使えます)と、字で書いてある店もあります。マークを出していない店もあるので、カードで払いたいときは、まず入口やレジの表示を見て、見当たらなければ入るときにカードを見せて店の人に確かめておくと、食べ終わってから困りません。

地方では、現金しか使えない店も多くあります。現金も少し持って歩きます。いちばん安心なのは入る前に確かめておくことですが、もし食べたあとでカードが使えないと分かったら、翻訳アプリの画面を見せて、店の人に相談できます。

たばこは、日本の飲食店では原則として屋内禁煙です。たばこが吸える店は、入口などに決められた標識を出すことになっています。「喫煙可能店」は、店の中全体でたばこが吸える店という意味です。20歳未満の人は、たばこを吸わなくても入れません。煙が苦手な人も、吸いたい人も、家族で旅している人も、入る前に分かります。

靴を脱いで上がる店もあります。靴を入れる棚が用意されていることが多いので、まわりの人にならえば迷いません。

どの店でも同じこと

日本の飲食店では、チップを渡す習慣はありません。

気持ちを伝えたいときは、チップの代わりに「ありがとうございました」と笑顔でひと言。

店ごとの使い方は、次の記事から順番に紹介します。

※店の使い方、支払いの方法、料金のしくみは、店によって異なります。実際に利用するときは、店の表示や店の人の案内を確かめてください。