予約画面に出ている、宿の値段。宿に着くと、その外にもう少し払うものがあることがあります。街によっては宿泊税、温泉の町なら入湯税です。
宿のお金で迷うことの多くは、2つに分けると見えてきます。税は、街が決める。キャンセル料や払い方は、宿が決める。たとえば東京都では、宿が泊まる人から税を預かって、都に納めます。だから税の額は街ごとに違い、キャンセル料や払い方は宿ごとに違います。
1 予約画面の数字 ― 何が入っているか

1人いくらか、1部屋いくらかは、「宿は4つ」の記事で見ました。ここでは、その数字の中身を見ます。
宿の料金には、消費税10%がかかります。サービス料は、宿によって扱いが違います。高級なホテルでは、10〜15%のサービス料がかかることもあります。サービス料が宿泊料に含まれている宿もあります(たとえば箱根の旅館、三河屋)。
明細の行の名前が分かれば、チェックアウトのときに、何に払っているのかが読めます。
2 宿泊税 ― 街の税。予約画面で「含まれているか」を見る
宿泊税は、街が決めて、泊まる人にかける税です。かけるかどうかも、いくらかも、都道府県や市町村ごとに決まります。
まず、予約画面で「含まれているか」
京都市では、宿泊税は泊まった宿に払います。ただ、予約サイトや旅行会社への支払いに含まれていることもあり、そこで宿泊税まで払っていれば、宿では払わなくて済みます。
大阪府では、予約サイトなどで前もって払った料金の中に、宿泊税が含まれていないことがあります。
だから、することは1つです。
- 予約画面で、宿泊税が含まれているかを見る。含まれていなければ、宿で払う
宿でもらう明細にも、宿泊税が別の行に書かれていることがあります。東京都では、宿で払う宿泊税も、その宿の決めた払い方で払います。

額の決め方は、街ごと
額の決め方も、街ごとです。たとえば京都市では、1人1泊の宿泊料金が6,000円未満なら200円、10万円以上なら1万円です(2026年3月1日の宿泊から)。年齢にかかわらず、宿泊料金がかかれば、子どもにもかかります。
安い宿泊にはかからない街もあれば、京都市のように、どの宿でもかかる街もあります。いくらかは、泊まる街の案内で見るのがいちばん新しい情報です(下の「参考にしたサイト」に、街の案内を置いています)。
札幌市では、宿泊税が始まる前に予約していても、2026年4月1日からの宿泊には税がかかります。予約した日ではなく、泊まる日で決まる形です。
東京都では、2027年4月1日の宿泊分から、決め方が変わります。1人1泊1万3千円以上の宿泊に、宿泊料金の3%がかかる形です。
払った宿泊税は、旅行者を迎える街のために使われます。
3 入湯税 ― 温泉の町の、もう1つの税
温泉のある町には、もう1つ税があります。入湯税です。温泉に入る人にかかる町の税で、1人1日150円が標準と、法律(地方税法)に書かれています。額は町によって違います。
温泉の町では、宿泊税と入湯税の両方がかかることがあります。たとえば函館・湯の川温泉の旅館、一の松は、英語の案内に、入湯税を大人1人1泊100円(2026年4月から)、宿泊税を布団で泊まる客は1泊200円(時期や部屋によって最大400円)と、並べて書いています。
入湯税は、温泉の源の管理、町の衛生や消防の施設、観光の振興に使う、と同じ法律に書かれています。朝風呂のお湯の、その元を守ることにも使われるお金です。
4 キャンセル料 ― 何日前からかは、宿が決める
キャンセル料の決まりは、宿ごとです。観光庁が示している宿の約款のひな形は、キャンセル料の表を置きながら、何日前から何%かは空けてあります。宿が自分の約款を作るときに、それぞれ埋めるところです。
だから、同じ日本の宿でも、かかり始めが大きく違います。当日の昼12時までなら0%の宿もあれば(たとえば東横イン。12時を過ぎると全額)、7日前からかかる宿もあります(たとえば箱根の旅館、三河屋)。
予約サイトから予約したなら、そのサイトの画面の条件も見ておきます。ネットの予約には「キャンセル料が100%かかる」といった条件が付いていることもあるので、申し込みを終える前に一度。
行けなくなったら、宿に連絡します。ひな形には、連絡がないまま決まった時刻を過ぎても着かないと、泊まる人が予約を取り消したものとして扱うことがある、とあります。
何日前まで0%かが分かっていれば、いつまで旅の予定を動かせるかが分かります。予約の画面で一度見ておけば、あとは旅の計画に戻れます。
5 フロントで ― パスポートと、払うとき
パスポート
チェックインでは、パスポートを見せます。日本に住所のない外国人が泊まるときは、宿の名簿に、名前や住所に加えて、国籍とパスポートの番号を書くことが、法令で決まっています。パスポートを見せることと、コピーを取ることも、日本政府が求めています。
いつ払うか
払うときも、宿で違います。ひな形では、出発のとき、または宿が求めたときに、フロントで払います。東横インは、着いたときにフロントで払います(「ビジネスホテル」の記事で)。
何で払うか
国際ブランドのクレジットカードやデビットカードは、日本の各地でおおむね使えます。都市の大きなホテルなら、たいてい使えます。
一方で、とくに田舎では、ホテルでも現金しか使えないところがある、とJNTOは書いています。自然を楽しみに田舎や人の少ない地域へ行くときは、前もって宿に確かめ、現金を用意するように、と。
温泉の宿でも、カードなどが使えるところはあります。たとえば函館・湯の川温泉の一の松は、現金のほか、クレジットカードや交通系ICカード、PayPay・Alipay+・WeChat Payなどのコード決済も使えます。
田舎へ向かう日は、現金を少し持っておけば、払い方で宿を選ばずに済みます。
旅のあいだに現金がいくら要るかは、「日本旅行に、現金はいくら要る?」で数え方を。
6 チップ ― 書かれた数字のままで
日本では、宿でチップを渡すことは一般的ではありません。旅館では、たとえば三河屋が、チップや心付けは必要ない、としています。
ただ、ごく一部の最高級の旅館は例外、とJNTOは書いています。
日本には、「心付け」という、気持ちを渡す習わしもあります。それも求められているものではありません。渡すなら目立たないように、封筒に入れて。
勘定は、明細に書かれた数字のまま。ふつうは、チップの計算をせずに宿を出られます。
まずは、これだけ
- 予約画面で、宿泊税が含まれているかを見る。含まれていなければ、宿で払う
- キャンセル料が何日前からかかるかも、予約の画面で。予約サイトなら、そのサイトの条件も
- 温泉の町の宿では、入湯税もかかる
- 田舎へ行く日は、現金を少し。パスポートはフロントで出せるように
- チップは、日本の宿では一般的ではない
数字の中身が分かれば、あとは泊まりたい宿を選ぶだけです。
参考にした公式情報(21件)
- JNTO(日本政府観光局)「Accommodation」 (日本政府観光局:消費税・サービス料・最高級の旅館のチップ、英語)
- JNTO(日本政府観光局)「Tipping in Japan」 (日本政府観光局:チップと心付け、英語)
- JNTO(日本政府観光局)「Credit Cards in Japan」 (日本政府観光局:クレジットカード、英語)
- JNTO(日本政府観光局)「Cashless Payments in Japan」 (日本政府観光局:都市の大きなホテル・田舎では現金だけの宿も、英語)
- 観光庁「モデル宿泊約款」 (観光庁:キャンセル料の表・連絡なしで着かないとき・支払いのとき、日本語)
- 厚生労働省「日本国内に住所を持たない外国人宿泊者に係る旅券の呈示及びコピーに関する案内(外国語)」 (厚生労働省:名簿とパスポート、日本語・英語・韓国語・中国語)
- 国民生活センター「インターネットで予約したホテルや航空券のトラブル-キャンセル条件など、契約内容は自分自身でよく確認!-」 (国民生活センター:ネットの予約のキャンセル条件、日本語)
- e-Gov法令検索「地方税法」 (法令:入湯税の標準の額と使いみち、日本語)
- 東京都主税局「宿泊者のみなさまへ」 (東京都:宿が預かって都に納めること・1万円未満はかからない・宿の払い方で払う・2027年4月1日からの内容・使いみち、日本語)
- 東京都主税局「宿泊税(ホテル・旅館の関係者の方へ)」 (東京都:領収書に宿泊税の名前と額、日本語)
- 京都市「宿泊税について」 (京都市:額・すべての宿泊者・払う場所、日本語)
- 京都市「京都市内に宿泊される皆さまへ」 (京都市:払う場所の宿泊税のちらし、日本語・英語・簡体中文・繁体中文・韓国語)
- 京都市「宿泊税に関するよくある質問(宿泊される方向け)」 (京都市:年齢にかかわらず、宿泊料金がかかれば課税、日本語)
- 京都市観光協会「Kyoto’s Accommodation Tax to Change Starting March」 (京都市観光協会:宿泊税の使いみち、英語)
- 大阪府「大阪府内の宿泊施設に宿泊する皆様へ」 (大阪府:前払いに含まれていない場合・安い宿泊にはかからない、日本語)
- 北海道「北海道宿泊税」 (北海道:使いみち、日本語)
- 札幌市「宿泊税」 (札幌市:予約が前でも泊まる日で、日本語)
- 福岡県「宿泊税の概要について」 (福岡県:使いみち、日本語)
- 箱根小涌園 三河屋旅館「よくある質問」 (旅館:サービス料・キャンセル料・チップ、日本語)
- 函館湯の川温泉 一の松「Guest Information & FAQ」 (旅館:入湯税と宿泊税・払い方、英語)
- 東横イン「ご宿泊に伴う利用規約」 (ホテル:キャンセル料・料金の内訳の宿泊税、日本語・英語)
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