出発前に読む
2026年10月時点の、警察・法令と、ニッポンレンタカー・トヨタレンタカー・タイムズカー・オリックスレンタカー・タイムズの駐車場・ホテルの公開の案内をもとにしています。条件は変わることがあります。予約の前に、それぞれのページで確かめてください。
おじいちゃんとおばあちゃん、きょうだい2家族、子どもが4人。10人で日本を車で回ろうと決めて、レンタカーの一覧を開くと、「10人乗り」の大きなワゴンが目に入ります。全員が1台に乗れて、運転は1人ですむ。いちばん簡単に見えます。
でも、10人乗りの1台は、借りる前と、走り出してからに、小さな関門がいくつもあります。免許の欄、荷物の量、子どもの座席、それに止める場所。どれか1つでも引っかかると、旅の途中で困ります。
だから、私たちの答えは先に言っておきます。
私たちのズバリはコレ! ― 8人乗りまでのミニバンを2台。運転する人を2人決める
- 車は、7〜8人乗りのミニバンを2台。10人なら、たとえば6人と4人。子どもの座席も、荷物も、2台に分けて積みます
- 運転する人を2人決めて、予約のときに名前を出しておく。当日は、2人とも受付へ行きます
- 10人乗り1台は、次の「4つ」がそろったときだけ
2台にすると、車の中は少し静かになります。そのかわり、止める場所の心配がぐっと小さくなり、荷物で足元が埋まらず、子どもの座席をきちんと付けられます。おじいちゃんの組は先に宿へ、子どもたちの組は寄り道をして、と別々に動けるのも2台の良さです。サービスエリアで落ち合って、同じソフトクリームを食べればいいのです。
10人乗り1台が選べるのは、4つそろったとき
10人乗りのワゴン(ハイエースなど)は、1台で10人が乗れます。ただ、次の4つのうち1つでも欠けたら、2台にします。
1. 国際運転免許証が日本で使える様式で、「D」の欄に印がある
D の欄を見る前に、まず、その冊子が日本で使える様式かを見ます。日本で使えるのは、1949年のジュネーブ条約の様式の国際運転免許証です。冊子の中に、条約の名前として「CONVENTION ON ROAD TRAFFIC OF 19 SEPTEMBER 1949」と書かれています(トヨタレンタカー)。車の種類の欄が A・B・C・D・BE・CE・DE となっている国際運転免許証は、様式がちがうので、日本では運転できません(愛知県警察)。D に印があっても、です。
日本で使える様式の国際運転免許証(IDP)では、運転できる車の種類が A〜E の欄に分かれていて、印が押された欄の車だけを運転できます。
- B の欄 … 運転する人のほかに、座席が8つまでの車。つまり9人乗りまで。ふつうのミニバンはここです
- D の欄 … 運転する人のほかに、座席が8つを超える車。10人乗りはここです
ニッポンレンタカーの案内でも、B は「ミニバン・ワゴン(10人乗りを除く)」、D は「10人乗りワゴン・マイクロバス」です。トヨタレンタカーも、10人乗り(W4クラス)には D の欄の印が要る、としています。ニッポンレンタカーの受付では、予約した車の種類の欄に印があるかを見られます。
国際運転免許証の冊子が届いたら、まず開いて、1949年の条約の名前があるか、それから D の欄を見てください。印が無ければ、10人乗りは選べません。8人乗りまでを2台にします。
受付で見られる所や、冊子の読み方は「国際運転免許証で日本を運転する」にまとめました。
2. 荷物が少ない
レンタカー会社が書いている「荷物の数」は、思ったより小さな荷物の数です。
- ニッポンレンタカーの10人乗りは、8人で乗ったときに、国内線の機内に持ち込める大きさで3〜4個が目安です
- オリックスレンタカーの10人乗りも、目安は4個。その「1個」は、縦・横・高さの合計が115cm以内(55×40×25cm以内)の大きさです
つまり、飛行機に預けるような大きなスーツケースが10人分載る、とは、ここで見たレンタカー会社(ニッポン・オリックス・トヨタ)は書いていません(載らない、とも書いていません)。10人乗りに10人で乗れば、荷物の場所はさらに減ります。大きなスーツケースが多いなら、2台に分けるか、先に宿へ送ります。
スーツケースの「1個」の数え方は「スーツケースの数で決める車の大きさ」で。
3. 6歳未満の子が3人以上いなくて、子どもの座席を付けても全員が座れる
日本では、6歳未満の子を車に乗せるときは、チャイルドシートを使います(道路交通法)。
- 1台に付けられるチャイルドシートの数には、会社の上限があります。ニッポンレンタカーは、7人乗り〜10人乗りのワゴンで、1台に2つまで(いちばん小さい3列の車は1つまで)
- チャイルドシートを付けると、座れる人が減ります。トヨタレンタカーは、3人がけの列にチャイルドシートを付けると、楽に座れるのは大人1人とチャイルドシート1つ、と案内しています
- チャイルドシートは予約のときに頼みます。トヨタレンタカーは、6歳未満の子と乗るなら予約のときに知らせてほしい、としています。付けるのは借りる人です(タイムズカー・トヨタレンタカー)
6歳未満の子が3人以上なら、ニッポンレンタカーのように1台に2つまでの会社では、1台には付けきれません。2台に分けます。
2人以下でも、チャイルドシートを付けたうえで、10人全員がそれぞれの席に座ってシートベルトをしめられるとは限りません。ニッポンレンタカーも、10人乗りのおすすめの人数は8人としています。10人乗りにするなら、予約のときに、子どもの年齢と人数、要るチャイルドシートの数を伝えて、付けられる席と、全員が座れるかを、レンタカー会社に確かめてください。はっきりしなければ、2台にします。
4. 止める場所を、先に決めてある
10人乗りのいちばんの落とし穴は、ここです。
10人乗りのハイエースは、高さが2.1mを超えます。トヨタの諸元表(2024年1月版)では、10人乗りのハイエースワゴンは高さ2,105mm〜2,285mm、長いもの(グランドキャビン)は長さ5,380mmです。
一方、コインパーキングには、止められる車の大きさの決まりがあります。たとえばタイムズの駐車場の約款では、ふつうの平地と立体の駐車場に止められるのは、長さ5.0m・幅1.9m・高さ2.1m・車両総重量2.5tまでの車です(機械式は高さ1.5m・車両総重量2.0tまで)。10人乗りのハイエースは、高さでこのふつうの基準の外です。グランドキャビンなどは、車両総重量でも2.5tを超えます。立体駐車場の入口で「高さ2.1m」の表示を見たら、10人乗りのハイエースは入りません。
ただし、約款には「駐車場によっては、ちがう基準を設けている場合もある」とあり、大きい車を止められる所もあります。宿の駐車場も、宿によって分かれます。
| 駐車場(ホテルの公式の案内) | 車の制限 | 10人乗りのハイエース |
|---|---|---|
| 京都駅ビルの駐車場(ホテルグランヴィア京都の案内) | 高さ2.1m・長さ5.0m | 高さが超える(グランドキャビンは長さも) |
| 京都センチュリーホテル | 高さ2.2m・長さ5.5m・幅2.3m | ふつうの長さのもの(高さ2,105mm)は数字の上では入る。グランドキャビン(高さ2,285mm)は入らない |
同じ京都駅の前でも、入る宿と入らない宿があるわけです。10人乗りにするなら、泊まる宿と、行く先の駐車場の「車両制限」(高さ・長さ・幅・重さ)を、予約の前に見ておきます。決まった車が来るとは限らず、車の大きさも予約画面には出ないので、受付で、借りた車の高さ・長さ・幅と車両総重量を聞いておくと安心です。
8人乗りまでのミニバンなら、この心配はぐっと小さくなります。止め方は「立体・地下駐車場の使い方」「機械式・タワーパーキングの使い方」で。
台湾の免許(翻訳文)で運転する人へ ― 10人乗りは選ばない
台湾の免許は、国際運転免許証ではなく、日本語の翻訳文をそえて日本で運転します。このとき運転できるのは、台湾の免許で運転できる車までです。
台湾の決まりでは、運転する人を入れて10座以上の車は「大客車」で、小型車の免許で大客車を運転すると罰せられます。ニッポンレンタカーも、翻訳文で借りる人に「予約の前に、運転できる車の種類を確かめて」と呼びかけ、9人乗りまでの免許で10人乗りを予約してしまう例が増えている、としています。
だから、台湾の小型車の免許なら、日本の10人乗りは選ばずに、8人乗りまでで組みます。10人なら2台です。大客車の免許を持っている人は、予約の前に、翻訳文の車の種類の欄を見てください。
翻訳文で借りるときの流れは「翻訳文で日本を運転する」で。
2台で借りるときに、知っておくこと
- 2台の予約は、2つになることがあります。ニッポンレンタカーは、2台以上も予約できるが、サイトやアプリでは1台ずつ取る、と案内しています。取ったら、2つの予約が同じ店・同じ時刻になっているかを見ます
- 運転する人は、予約のときに決めておく。ニッポンレンタカーは、予約のときと違う運転者が受付に来たら、貸すのを断ることがある、としています。タイムズカーも、予約の前に運転する人を決めてほしい、としています
- 当日は、運転する人が2人とも受付へ。ニッポンレンタカー・トヨタレンタカー・タイムズカーは、運転する人みんなの免許(国際運転免許証や翻訳文など)とパスポートを受付で見せる、と案内しています。2人目の運転者も、借りる車の種類の欄に印が要ります
- 運転者を足しても、追加の料金はかからない(ニッポンレンタカー・トヨタレンタカー。ニッポンレンタカーは受付で足せる)。受付で運転者として届けた人には、借りた人と同じ補償が効きます(ニッポンレンタカー・タイムズカー)
- 「7〜8人乗り」の中身を見る。トヨタレンタカーの7〜8人乗りのクラスには、7人乗りと8人乗りの車が混ざっています。人数を決めて借りたいなら、出発する店に連絡します(料金がかかることがあります)。タイムズカーは、車の種類(クラス)しか選べず、車の名前までは選べません
- 大きい車は、クレジットカードでしか払えないことが多い。ニッポンレンタカー・トヨタレンタカー(W4)・オリックスレンタカーのグランドキャビンは、カード払いだけです。7〜8人乗りでも、上のクラスはカード払いだけのことがあります。予約の画面で払い方を見ておきます。ニッポンレンタカーは、カード払いだけのクラスでは、メインの運転者のカードしか使えません
2人目の運転者が若いとき
- ニッポンレンタカーは、18歳以上なら年齢の制限はない、としています(21歳未満や免許を取って1年未満の人には、受付で安全運転の説明があります)
- オリックスレンタカーは、18歳を超えていれば、免許で運転できる範囲で借りられる、としています
- タイムズカーは、年齢も、免許を取った日も問わない、としています
- トヨタレンタカーは、店によって年齢の制限がある、としています。借りる店に聞きます
英語の予約画面に、10人乗りが出ないことがある
トヨタレンタカーの英語の予約画面のミニバン・ワゴンは「6〜8人」で、10人乗り(W4)は日本語の頁にあります。ニッポンレンタカーの10人乗りは、地域によっては扱っていません。10人乗りを探して見つからなければ、8人乗りまでを2台で探します。
何人なら何台
| 人数 | 6歳未満の子 | 私たちなら |
|---|---|---|
| 8人 | 0人 | 8人乗り1台でも乗れる。ただし荷物の目安は、6人で乗って機内持ち込みの大きさ3個(ニッポンレンタカーの8人乗り)。大きいスーツケースが多いなら、2台か、荷物を送る |
| 8人 | 1〜2人 | 2台。チャイルドシートを付けると、8人乗りに8人は座りきれないことがある(トヨタレンタカーは、3人がけの列にチャイルドシートを付けると、楽に座れるのは大人1人とシート1つ、としています) |
| 9〜10人 | 0〜2人 | 8人乗りまでを2台。4つそろえば10人乗り1台も |
| 9〜10人 | 3人以上 | 2台(チャイルドシートを分ける) |
| 11〜12人 | — | 2台。運転する人が2人いないなら、送迎の車を空港と宿のあいだだけ頼んで、あとは電車 |
「8人乗り2台で16席」とは数えません。チャイルドシートと荷物で、座れる席は減ります。
11人以上を1台で運ぶマイクロバスは、日本の免許でも中型免許が要る車です。この記事では、レンタカーの答えにしません。運転できる人が1人しかいない、運転したくない家族がいる、というときは、「8〜12人の家族で、電車で日本を回る」を見てください。空港と宿のあいだだけ、大きな車の送迎を頼む方法も書いてあります。
荷物は、先に送る
2台にしても、大きなスーツケースが10個あると、車の中は狭くなります。スーツケースは、宿から次の宿へ送れます。車で回る家族も、大きい荷物だけ先に送ると、乗る人がゆったりします。送り方は「荷物を宿から宿へ送る」で。
泊まる宿を決めるとき
10人で泊まる宿を探すときは、部屋の広さと一緒に、駐車場の台数と車の制限を見ます。2台なら2台分。予約制ではない駐車場もあり、満車なら近くの駐車場を案内される宿もあります(京都センチュリーホテル)。
出発前に、これだけ
- 国際運転免許証の冊子を開いて、1949年の様式か、運転する2人の欄を見る(欄が A・B・C・D・BE・CE・DE の様式は日本で使えない。B なら9人乗りまで=ふつうのミニバン。10人乗りは D)
- 台湾の免許なら、10人乗りは選ばない
- 運転する2人の名前を予約に入れる(2台なら、2つの予約が同じ店・同じ時刻か)
- 6歳未満の子の人数分、チャイルドシートを頼む(1台に付けられる数は会社に聞く。ニッポンレンタカーは2つまで。10人乗りなら、付けたうえで全員が座れるかも聞く)
- 10人乗りにするなら、宿と行き先の駐車場の高さ・長さ・幅・重さの制限を見ておく
もっとくわしく
- 国際運転免許証の欄の見方 → 「国際運転免許証で日本を運転する」
- 台湾の免許で借りる → 「翻訳文で日本を運転する」
- 車の大きさとスーツケース → 「スーツケースの数で決める車の大きさ」
- 電車にするか、車にするか → 「電車とレンタカー、どちらがよい?」
- 運転しない大人数の旅 → 「8〜12人の家族で、電車で日本を回る」
10人で車の旅をするのに、本当に決めることは2つだけです。車を2台にすること、運転する2人を決めておくこと。あとは、2台が前と後ろになって山道を走り、次の町の駐車場で10人がまたそろう旅になります。